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2007年4月

2007年4月29日 (日)

今週の動き、今朝のテレビから地域が熱い

 今週の動き 地域の様々な話題が動きだす

 いよいよGW。統一地方選挙も終わり、新しい行政が稼働したり、連休で田舎に帰省したり、他の地域への旅行。昨日のNHKラジオでもプロ野球の独立リーグ、北信越リーグが動き出したことが紹介されていた。

 今朝はNHKの日曜討論では、横浜の中田市長や千葉大学の進藤宗幸教授が地方分権や道州制について語っていた。進藤教授は地方制度調査会の道州制案を批判して、都道府県を並立している形があってもいいと述べていたが、世論で道州制の肯定論が少ないことも考慮すると、地方制度調査会や道州制推進連盟の見解のように、道州制=都道府県廃止は少なくても当面は避けるべきだろう。

 テレビ朝日のサンデープロジェクト

 支持率が90%近い宮崎県の東国原知事が宮崎再生について、語っていたがその中で照葉樹林を観光のキーワードにして、年に100万の観光客を集める綾町が紹介されていた。これが逆に市町村合併を強力に進め、300自治体構想を譲らない道州制推進連盟案では、町が埋没して逆効果になるだけである。

 それとプロ野球再生問題と関連して、地域で支える浦和レッズの阪神タイガースにも匹敵する観客動員が紹介されていた。プロ野球再生のカギは地方分権だとスポーツ評論家の二宮清純氏は述べていたが、これは日本社会に求められていることでもあり、道州制も国の下請けであってはならないと痛感した。

 5月19日のNHKテレビの日本のこれからでも「地方再生」が取り上げられる。地域の話題や討議の活発化をより期待したい。

 

2007年4月28日 (土)

昨夜の朝まで生テレビ、官僚制度の問題

 昨夜の朝まで生テレビ 官僚制度の問題と道州制

 昨夜の朝まで生テレビは放送20年記念、官僚制度の問題であった。日本は政治は三流でも、官僚だけは優秀であったのが今は昔、天下り問題や不祥事で批判を浴びたりして、制度疲労をしている。

 番組では天下り防止のための人材バンクの是非など語られていたが、役人の数が減る小さな政府、だがサービスは悪くなる。反対にサービスはいいが役人の数は多い、大きな政府の二者択一で田原総一朗氏は語っていたが、その二者択一を防ぐのが道州制の役割ではないだろうか。

 地方制度調査会や、各種道州制の検討プランでは、国の役人のほぼ3分の2は九州管区局という風に、地方の出先機関の役人で、今の都道府県と被ることもしていて、ある種その地方に干渉している側面もある。

 それよりは大分県の平松前知事の主張のように、地域の国の出先機関を統合し、県も九州なら九州という単位で連合して、九州のことに責任を持つ。九州府と呼ばれ道州制の先駆的発想だが、そのことで役人の数を減らしても、地域の実情を踏まえたサービスは低下させないというようなことを、誰も説明できなかった。道州制という言葉は認識していても、その効果や意義が理解されていないのではないかと感じた。

 キャリア制度改革、セーフテイネット構築に道州制の利用を

 たとえば国家公務員の上級職採用がある。このことで特権化するから天下りや、人事の硬直を招いたりするが、上級を無くし今の初級のみにするとそこに有名大学の学生が受験し、初級があることで有名大学卒でない方や、高卒者も入るケースが損なわれる。

 今のような国家公務員制度では上級がある弊害も、上級を廃止して初級、上級を一本化することも適切ではない。

 それよりは外交と国防以外は地方が担う道州制の時代には、日本道州制研究会の牛尾重彦氏の主張のように、道州制、あるいは地方自治体の優秀者が抜擢されて国の役人になっていくようにするのである。そうすれば上級職制度の弊害である。最初の受験の優劣がその後を支配する弊害も無くなるし、今のように序列が下の者が登用されると、それより年配者は退職して天下り先を探す弊害も緩和される。

 先日の長崎市長選挙で、銃弾に倒れた方の後継になった方は前は長崎市役所の課長で、序列でいえば上に70人くらいいるそうである。元は上司だった方がやりにくいと苦笑しつつ、たいていは喜んでいるのは投票により選ばれた重みがあるからである。上司と部下の関係が変わったから退職し、変わりに天下りする必要もない。ドラフト4位のイチロー選手が大選手になる。最初の評価と実際仕事し出してからの評価は違うのは当然だ。

 経験を積んだ者が、最初の序列にかかわらず評価を受けて抜擢される。それが道州制で実現されるべきだし、役人の人材バンクの意見として、雇用保険の対象に公務員はなっていないから、ハローワークが使えないというのがあったが、むしろ今の団塊定年や、雇用保険の対象になっていない1日単位のワンコールワーカー。自営業者を含めて近畿、九州などの道州制単位で労働基準監督署などとも連携した、近畿人材活用センターのような形の、国民全体が恩恵を受けるセーフテイネットとして、再構築してはどうだろうか。

2007年4月25日 (水)

福知山線事故から2周年

 今日で福知山線事故から2周年

 今日は福知山線事故から2周年。事故に2周年というのもヘンではあるが、あの大惨事の前日にあの路線に乗っていたし、尼崎駅近くの陸上競技場で練習することもあるので、映像を見ると心が痛む。

 あの大事故の背景に京阪神の鉄道事情(私鉄との競争、遅れを許さないいらいらした乗客など)も考えねばならないし、民営化の反動で行き過ぎたリストラなど、今、新規採用を押さえ、その結果人材確保にやっきになる企業のあり方など、JR西日本に明確に表れたような気がする。

 福知山線は東西線と一体になり、片町線とも続くが乗客も増え、電車も新しくなったが、ATSなどは旧来のままという安全面の改善はすすまなかった。

 道州制の検討の中で、交通マナーや企業風土を含め、官民併せて関西(近畿)の不祥事や、事故が多発しやすい事情を検討、改善するよい契機としていくべきではないだろうか。

2007年4月24日 (火)

統一地方選挙後半戦を終えてと2008年G8サミット、洞爺湖に決定

 統一地方選挙 後半戦を終えて

 統一地方選挙の後半戦が終了した。参議院補欠選挙も自民、民主の1勝1敗で知事選挙を含めて、二大政党の優劣が明らかにならなかったが、地方議員レベルでは自民の比率に陰りがあり、安倍内閣の支持率低下に歯止めも一方でかかる現状も見ると、参議院選挙の与野党の優劣は微妙な所であろう。

 ただ滋賀県で新幹線新駅凍結を掲げた嘉田知事の支持勢力が、議員選挙で増大し、滋賀県の自民党が過半数割れした。県民が新幹線新駅を不要とする背景には、京阪神から新快速と呼ばれる利便性の高い在来線が走っていることが見落とせない。

 また昨年10月からは福井県敦賀市まで、新快速が走るようになった。京阪神から滋賀、福井県嶺南はますます一体感が増してきたといえ、道州制でも当然区域は同じになることが、必然であろう。「市町村合併の次は道州制」の合い言葉の一方、議員選挙レベルで道州制を公約に論じる方は見聞きしなかったが、今後の進展に注目したい。

 G8サミット開催地洞爺湖に決定

 昨日、来年の日本国内で開催のG8サミット開催場所が、北海道の洞爺湖に決定した。

候補地にはそれまでに横浜と新潟、岡山と香川、京阪神の三ヶ所が名乗りをあげていたが、警備上の都合と風光明媚な場所ということで、それに適した場所で政府が候補地を探した場所に決定したが、横浜では東京でやってるのと大差がなく、岡山、香川は関係省庁の管区が異なる、京阪神は大阪、京都の主会場をどちらにするか決めかねる。

 また北海道が道州制の先行実施で、国、道の連携が求められる世情もあるだろう。8年に1回という流れから、東京集中の流れを立つため、関西、中四国など広域道州制の範囲で、どこかでG8サミットを順々に行い、候補地に出なかった東海、東北などでの開催を終えてから、関東、東京でサミットを開催しない。

 ともかく関東の横浜でなかったのは望ましいが、道州制で国土の均等な発展を考慮すると、道州制の区割り単位で一つずつ開催地を移し、なんでも関東、東京の気風を打破するべきではないだろうか。

2007年4月22日 (日)

道州制、地方分権を学ぶための本、日本道州制国家論

 日本道州制研究会会報1を収録 芝蒸編著 世界思想社発行

 日本道州制国家論 1990年 ISBN4―7907―0366―5

 私も会員として活動している、日本道州制研究会では過去5回会報を発行し、2~5についてはあかつき出版から発行しているが、その1については、後半に会報を収録し、前半に代表の芝蒸先生の日本道州制国家論の内容を収録している。

(日本道州制研究会ホームページは以下

http://www4.osk.3web.ne.jp~nishida5/nisida/dousyu.htm)

日本道州制研究会の発足は1986年と、道州制関係の民間団体で最も古く、当時と道州制に関する事情がかなり様変わりしてきたが、現在の道州制事情と対比して参照してほしい。以下、題目を提示する。

 Ⅰ

 第1章 日本道州制(連邦制)国家の構想

 第2章 日本道州制(連邦制)国家論

 第3章 政治改革の根本問題

 第4章 道州制国家研究の諸問題

 Ⅱ 日本道州制研究会会報(1988,4~1989,9)

 1988年

 道州制問題への視点               芝 蒸

 第4次全国総合開発計画をめぐって      大国 義一

 総括、討議                     田中 芳美

 前回への討議の提案               堀田 輝明

 集権の文化と分権の文化            遠藤 雅一

 西ドイツの大学制度                林 模憲

 関西を考える                    後藤 孝夫

 廃棄物処理と地方行政              小松 正幹

 西ドイツ分権制の構造              住沢 博紀

 道州制と府県地域                堀田 輝明

 1989年

 象徴天皇制と道州制国家            芝 蒸

 石橋湛山の「大日本主義の幻想」       加藤 修吉

 88年度総括                    灘 渉、二宮弘典

 中央官僚と府県自治               芝 蒸

 過疎町村と日本の農業              河野 武

 政治倫理から政治改革へ            中馬 弘毅

 近代日本の見直しについて           田中 良紹

 少数民族問題と道州制             田中 芳美

 日本道州制研究会設立趣意書

 日本道州制(連邦制)研究会会則

 日本道州制研究会委員名簿

 Ⅲ 諸外国の憲法と道州制関連事項

 研究会の会員については、既に物故者になられた方も多いが、私は1993年頃から活動に参加し、この本の内容と最近の道州制事情について対比して、考えさせられる部分が多い。

 芝代表だけでなく、私や日本道州制研究会の会員の多くは東京集中や、過密:過疎問題を重視しているが、最近の道州制議論は地方制度調査会や道州制推進連盟の提議には、そういう視点が欠落している。

 だが5月19日(土)のNHKテレビの「日本のこれから」で地方再生がテーマになるように、地方の再生にこそ道州制はあるべきで、ドイツの連邦制など、道州制推進連盟や大前研一氏の市場原理主義的発想とは異なることなど、この本から是非学んでほしい。

 古い時期の本で入手が難しいこともあるだろうが、道州制に関心のある方は一読をおすすめしたい。

   

2007年4月21日 (土)

地域格差問題と、日本道州制研究会会報5最近の道州制に関する動向と課題5

 地方の衰退、格差問題

 4月19日の日本経済新聞によると、物価や収入、消費支出は今年2月の日銀の調査で二年前と比べ、収入は大都市、小都市で横ばい気味だが、町村はマイナス4%。消費者物価は大都市は横ばいだが、小都市、町村は下落、消費支出は町村の下落が著しい。

 菅総務大臣が消費税の地方への配分増を示唆しているが、法人が東京に集中しているため、それを一人当たりになおすと東京と、最小の長崎で6,5倍だが、消費税なら最小の沖縄とで2倍に過ぎないからである。

 道州制推進連盟のように地方への再配分をぶら下がりと批判する態度では、道州制がむしろ地方の衰退に拍車をかけることと、地方の知事、議員、住民の道州制への否定的態度を強くするだけである。

 首都法人税を創設して、東京に本社を置くと法人税を高くして、そのプラス分を今の地方交付税の代わりにするような制度も、道州制実施に併せて実施することも検討すべきである。

 なお5月19日(土)NHK総合テレビの「日本のこれから」で、地方の衰退問題がテーマになる。是非、関連して道州制にも触れてほしいものである。

 日本道州制研究会会報5 最近の道州制に関する動向と課題5

 東京以西の歴史的背景、現状の広域エリアに合わない案の具体例

 また今回の区割り案の内容は、東京以西の事情への配慮が明らかに欠けている。同じ県を分割して別の州に編入することを認めない方針を打ち出しているが、区割り困難県の代表例である福井県を例にすると、北陸トンネルの上に位置する木ノ芽峠で、嶺南と嶺北に別れ、今も視聴しているテレビや方言が異なり、嶺南の東端に位置する敦賀市まで京阪神から直流で運行される新快速列車が運行されている。敦賀から以北は交流で運行され、福井県嶺南地区は関西(近畿)の範疇で解釈すべきである。

 ところが今回の地方制度調査会の案では福井は9ブロックなら関西だが、それ以上では北陸州である。しかも県を分割して別の州ということを原則として認めていないため、福井県嶺南地区は北陸州が採用された場合、現状とかけ離れた区割りに編入されることになる。

 この地方制度調査会の区割り案が公表された直後に、敦賀市の河瀬市長が「嶺北が北陸州に行くなら、嶺南は嶺北と縁を切る」という発言に及んだが、東京での卓上の議論があまりにかけ離れている弊害を顕著に表しているといえる。

 北陸という概念にしても、福井の嶺北、石川、富山は比較的一体感が強いものの、冨山と新潟の境界の親不知で、今も文化、交通の差異が大きく、交流が希薄な上、西日本と東日本の境界をどこにするか意見は分かれるが、その境界を最も東よりで考慮しても、親不知以東に考慮されることもない。伝統的な日本の東西の仕切りにも反することや、新潟は長野や北関東、電力は東北電力の地帯が多いことや、国土審議会の区分では東北である事情から、地方制度調査会の北陸州案は、該当地域のメリットが見当たらない。

 長野県についても、中部、東海への区割り案がない。このため三遠南信(三河、遠江、南信濃)と通称される地域の関係者からは、道州制での中部、東海州での、この地域の編入を求める意見が多い。

 古くからこの地域が同じ経済:文化圏を共有し(たとえば弥生時代の銅鐸は三遠式銅鐸と呼ばれる独自の銅鐸が分布している)、今も塩尻以西はJR東海の管轄である。木曽川流域の長野県山口村が岐阜県中津川市との編入を実施したように、長野県の木曽川流域と天竜川流域は、昔も今も明確に中部地方であり、長野県全体が中部州に入るか、国土交通省の道の駅の管理、案内が長野県を東は関東、西は中部に入っていることの方が合理的な選択である。

 また大阪への通勤圏である三重県伊賀地方も、関西に編入する案がない。伊賀地方からは名張川など川の水は、淀川に最終的に流れるので、洪水調節を考慮しても、今の県の中で伊賀は関西、伊勢は中部と別の州に分かれる方が得策である。仮にこれが伊賀が中部州なら大都市の大阪が甚大な被害を受けても、他の州よりも上流部の伊賀の被害を減らすのを優先するため、ダムは放流を続けるような問題が出る懸念があり、河川管理はそれを防ぐため、依然として国が行うという本末転倒なことになる懸念が強い。

(続く)

2007年4月19日 (木)

長崎市伊藤市長の悲劇を悼む、最近の道州制に関する動向と課題4

 長崎市伊藤市長の銃弾での悲劇を悼む

 既報のように、選挙期間中に暴力団員の銃弾により、長崎市の伊藤市長が亡くなられた。長崎市は長崎市新幹線の完成が近づき、伊藤市長が九州市長会の会長も務めていて、九州での道州制議論にも協力的であったため、惜しまれてならない。

 今後は地方での改革や道州制推進の中で、地方自治体の長が狙われることがあるかも知れず、警備当局の対策が求められる。

 3)第28次地方制度調査会の区割り案とその問題点

 地方制度調査会区割り案の根拠は何か

 道州制の社会的関心を考慮すると、本来は権限や財源などの問題の討議が不可欠ではあるが、自分の県がどの地方に当てはまるのかといった、区割り議論の問題は、市民には最重要の問題といえるかも知れない。

 平成18年7月31日に大阪で開催された、総務省の道州制をテーマにしたタウンミーテイングで竹中総務大臣(当時)は、地方制度調査会の提示した3案はあくまで試案の代表例で、これからも討議すべきことであるとしていたが、それを差し引いてもこれまでの様々な道州制区割り案と比較して、地域の現状や要望への配慮が欠いている。

 区割り案は当初、考慮されていた関東と甲信越を一つにした8区分案が姿を消し、いずれも東京と沖縄を一つの州として分けることを念頭にした上で、9、11、13ブロックに分けている。

 9ブロックは北海道、東北、北関東、東京、南関東、中部、関西(近畿)、中国:四国、九州、沖縄。11ブロックでは中部が北陸と東海に別れるのと、中国、四国が別々になる。また13ブロックは東北と九州が南北に別れる。

 13ブロックについては北東北三県の合併構想が進んでいるのと、九州で最大都市の福岡に対して、中央に位置する熊本の州都誘致論に対応したことが考慮できる。道州制を都道府県合併や連合と解釈して、早期実施を目指す場合や、暫定実施案として考慮すべき案ではあるが、九州の中で「九州は一つ」が合い言葉で、南北分離案は支持されていない現状。仙台にプロ野球チームができ、東北地方の文化的一体感が増しているため、恒久的な区割り数としては13ブロックは適当と言いがたい。

 そうなると9,11ブロックの対比だが基本的に9、あるいは従来からの区割り数でそれ以下になると、東海と北陸を中部、中国:四国を一つとすることで日本海側と太平洋側の双方に面していることにこだわらず、地方として呼称される領域があれば一つの州として、設定しようと読みとれる。

 ところが区割り数の根拠は、今後の答申の細かい報告や、新たな地方制度調査会案などで、提示されるにしろ、報道されている内容では、明らかに説明が不足している。

(続く)

 

2007年4月17日 (火)

日本道州制研究会会報5、最近の道州制に関する動向と課題その3

 2)第28次地方制度調査会案の問題点、昨今の政府政策と関連して

 地方振興策としての道州制と新自由主義的道州制案

 第28次地方制度調査会案では、財源や権限移譲など河川管理の権限移譲や、財源移譲や財源の見直しなどが諮問されているが、具体的な提案には至らず、試案として出された区割り案もこれまでの各方面からの提案が有効にいかされているかははなはだ疑問である。

 これは昨今の市町村合併や地方交付税の削減など、現在の安倍内閣以前に5年間続いた小泉内閣との関連が考慮できる。

 小泉内閣ではそれまでの地方への再配分としての補助金行政や、地方での公共事業重視の姿勢を崩した他、国会でも決議された首都移転の検討も棚上げされた。このことはそれまでの赤字国債の乱発、財政の悪化体質の歯止めと、東京中心ではあるが、景気回復につながった側面はある。

 しかしこの政策は1980年代の英国のサッチャー、米国のレーガンに代表される「新自由主義」的政策に該当し、英米と同様に国家主義的路線や、地方経済や社会的弱者の切り捨てといえる、社会的痛みが増大した。

 道州制も小泉内閣時代の審議の中で、検討され、現在の安倍内閣に継承されているため、現在の政局とも関連し、国や国民のための政策をどうするかで、かなり内容が異なることが想定できる。

 地方の自立論の危険性

 今、道州制や市町村合併で「地方の自立」が叫ばれる。だがこれは地方の裁量が拡大するメリットが生まれる側面と、最近の総務省などの地方交付税の削減方針などは、地方の裁量が増えるようでただの切り捨てとして悪用され、ますます東京と地方との格差が拡大する懸念がある。

 道州制は大分県の平松前知事や関経連などの20年くらい前からの提唱では、東京集中の弊害除去と九州、関西(近畿)といった単位の経済の繁栄に軸足が置かれ、それに関連して国でも首都移転の方針が打ち出された。

 ところが小泉内閣の方針や、大前研一氏の「平成維新」論の中での道州制論では、地方の自立に軸足が置かれ、一方で東京の富を地方へという考えが批判され、大前氏の見解に影響を受けている道州制推進連盟の見解も、都会から地方への再配分としての地方交付税に否定的である。小泉内閣で道州制が浮上してきた背景には、後者の性格が濃厚と考慮できる。

 今、安倍内閣の政策を「中途半端」と揶揄することが多い。小泉路線の継承が期待されたり、その転換を求められたりすることの双方に配慮することの結果といえるが、道州制の方針で財源、権限移譲に関して明確な方針が打ち出せないのは、官僚の抵抗や道州制への国民的合意がまだない点はあるにしろ、新自由主義的な市場原理主義的な道州制か、これに否定的な富の再配分に力点を置くのか、明確に打ち出せないことの影響が考慮できる。

(続く)

2007年4月15日 (日)

道州制、市民と有識者の落差

 道州制への県民の反応 岐阜新聞の調査から  

 4月3日付けの岐阜新聞の調査記事で、県議会選挙の候補者アンケートで、候補者は道州制に62%が賛成なのに対して、反対は35%。

 ところが同新聞の2月の世論調査では県民アンケートでは反対51%、賛成が22%と異なった結果となった。

 議員レベルでは富山県の県議では道州制への反対が大きい傾向が表れているが、岐阜県の場合は道州制への賛成が多い理由は何だろうか。

 まず富山県の場合は、石井知事が述べているように地方交付税の削減方針の中では、道州制が財源面のマイナス要因になる懸念、区割りが中部地方として、愛知などと同じなるか、北陸三県や四県になるのか未知数であることが考慮できる。

 一方で岐阜の場合は木曽、長良川などの水資源や防災などでの愛知県との共同管理なり、区割りで経済が好調な愛知と切り離されることもなく、自分の身分がどうなるかの不安以外は道州制への反対理由が少ないことがある。あるいは首都移転の候補地としての期待感も、道州制の施行であるのかも知れない。

 だが岐阜県民が道州制に批判的なことは一考を要する。年々、JRの岐阜と名古屋の間が利便性が増し、岐阜市民が名古屋で買い物を済ませるので、岐阜駅前が寂れる状況でも県に、市民が執着してしまうのは、県への愛着や道州制への知識のなさなどが大きく原因しているであろう。

 今の道州制議論が国や財界からの提言が主で、どうしても市民の警戒感が強いのも、

原因ではあるが、このブログでも、市民への道州制への情報提供を心がけていきたい。

2007年4月14日 (土)

統一地方選挙を終えて、日本道州制研究会4月例会の報告

 統一地方選挙を終えて  日本道州制研究会4月例会を終えて

 統一地方選挙の前半戦を終えてをテーマにして、道州制問題と関連づけて意見交換を行った。まず投票率の低さの要因として、無関心以外に知事、市長の選挙が戦後すぐと異なり、その実施時期がだんだんずれると共に、統一の名とは裏腹にどうしても実施が統一されなくなっている側面が指摘された。

 また牛尾重彦氏の方から神戸とその周辺が自公の現職の当選が多く、兵庫の日本海側の町村では現職の落選、苦戦があいついでいるケースが指摘された。この問題は東京の石原再選の構図とも関連するかも知れないが、ニューリッチとも言える階層が格差是正ではなく、現状追認に働いているのではという指摘は興味深かった。

 また私からは神奈川、埼玉の知事が石原都知事の応援に、民主党にもかかわらず駆けつけたように、首都圏の枠組みでの都合のいい道州制と、今の地方交付税の削減の中で権限移譲は進まない現状で、富山県の県議当選者へのアンケートで、道州制への賛成が少数であったことを報告し、道州制が格差是正に活用されていない動きに対する警戒感を報告した。

 また経団連が道州制に熱心な一方で、御手洗会長が偽装請負など経営者の都合にいい経営を進めていることなど、庶民に道州制への期待感を失わせていることや、安倍内閣が道州制担当大臣を置き、推進している一方でタカ派イメージが、以前、奥野誠亮氏らが提言していた、国の関与の色彩が強い地方制と呼称される、都道府県を廃止し、国の管理を強めるプランに、軸足を置くような警戒感があるのではないかと話したりした。

 だが道州制推進連盟などは、この方針に近く、道州制comは市民の決定に軸足を置いていることを補足した。

 

 来月以降の日本道州制研究会例会の予定

 なお来月の日本道州制研究会は5月19日。この日はNHKテレビの日本のこれからで「地方の衰退」問題が取り上げられるので、昼は研究会に来られ、夜はテレビをご覧になってください。牛尾重彦さんが話をされ、討議に入ります。

 また6月16日は私から、道州制の地方と中央の意識のギャップ問題を報告の予定です。会場はいずれも大阪府立青少年会館で午後1時30分頃からです。会場に使用する部屋などまた1週間くらい前に予告します。

2007年4月 9日 (月)

統一地方選挙前半戦を終えて

  統一地方選挙前半戦を終えて 無難な首長選びと地方政治の静かな変化

 統一地方選挙が終了した。事前の世論調査からの番狂わせが知事選挙ではなかった。現職が五選とか著しい多選ではなかったし、政党単位で自民、民主の候補が別々に出た地域でも、現職や元の議員など「強い」候補が勝っている。

 キャラが強い候補が勝つ、東京の石原都知事の勝利など以下の山鹿ニュースでの統一地方選挙特集も併せて観ていただければと思うが

http://blogs.yahoo.co.jp/zenikinnyama/46095532.html

所謂、格差問題や教育問題など与野党がしかけた論点は消し飛んだ感がある。

 道州制や地方自治との関連

 北海道で現職の高橋知事と、札幌の上田市長が再選されたが、党派は異なるが北海道での道州制推進で、民主党が道州制に熱心でなくなった今も、上田市長はその検討メンバーである。

 国の地方自治にほど遠い、道州制特区法案をいかにして、主体的な道州制に変化させるか、動向を見守りたい。

 また広域市町村合併で、政令指定都市の仲間入りをした浜松、静岡がいずれも、市長選挙が大接戦であった。道州制で県が分かれて別の道州に編入できるなら、別の州に編入を希望する世論が多いだけに、周辺市町村との動向を含めて新市長の方針が注目である。

 また石原再選で自民が勝ったような印象があるが、地方議会レベルで自民党が相当議席を減らし、滋賀では嘉田知事の支援グループが躍進し、議会で自民党が過半数割れした。

 石原、小泉のようないい悪いは別にして、めちゃくちゃ強いキャラで旋風を巻き起こすのでなければ、田中康夫長野前知事のように不可解な発言や、行動は周りが引いていく。勝谷雅彦などはそれがわからず、県民や民主党のせいにするが、山口村の合併問題などでの村の自主的な対応をねじ曲げ、それをうそぶいて伝える勝谷の行動など、ただの高飛車にしか過ぎない。

 嘉田知事や、宮崎の東国原知事など相当低姿勢で、対話をし、政策を語りかけている。

合併や道州制問題でも、有識者にそういう態度が必要ではないだろうか。

 統一地方選挙の結果を受けて

 前日、4月8日のこのブログの記事の後ろの方にありますが、日本道州制研究会でも、統一地方選挙の結果を受けて、地方分権について語り合います。詳しくは前日の記事の中で会場などお伝えしていますので、是非ご参加ください。

2007年4月 8日 (日)

道州制、地方分権を学ぶための本、道州制com編著、一新塾監修『道州制で日はまた昇るか』、日本道州制研究会4月例会のお知らせ

  現代人文社刊『道州制で日はまた昇るか』

 道州制については、国、経済界、地方自治体、大学の研究会以外に、民間団体の道州制について、研究、提言をしている団体がある。私の所属している日本道州制研究会は大阪を中心にして、活動をしているが、関東、東京を中心にしている団体に、道州制推進連盟と共に、大前研一氏が主宰の一新塾から発展的に発足した、道州制comがある。

 グーグルなどの検索で道州制でNO1にランクされる団体であるが、3月末に市民の視点から道州制を考えるということで、3月末に『道州制で日はまた昇るか』という単行本を、現代人文社から刊行された。

 道州制で日はまた昇るかの主な内容

 本の構成は以下のように6章になっている

1、日本の未来を導く答えはどこに 

2、今、国も地域も大変だ

3、「道州制」は救世主か?

4、こんな「道州制」がほしい

5、市民の道州制のために

6、2020年、「道州制」後の日本

 この本全体の評価できる点としては、地方自治に関する専門書となると、普通の市民が勉強しようとすると内容が高度すぎて尻込みしたり、入手が困難だったり値段が高い。道州制を学ぶための敷居が高すぎる点がネックだった。

 ところがこの本は書き方が話し言葉的で、かなり内容をわかりやすくしているが、一方で平易に説明していることが評価できる。

 また強圧的な問いかけをしていないことが特色である。道州制comと道州制推進連盟はメンバーがかなり重複しているが、道州制推進連盟の方は、その代表の意見が一方的で、会議室などでのやりとりが、格差是正など関心がないし、時には市民の反対など衆愚的だという言い方さえする。

 ところが市民による参加や論争を尊重していることが尊重できる。

 

 道州制で日はまた昇るかでの難点

 だが道州制の定義として、現行の都道府県制度を廃止するとしている。しかし一般市民にとって道州制は広すぎる存在であり、都道府県への愛着もあり、道州制への反対が強い。そういう状況と県議会や知事という現行制度は受け継がないが、高校野球の代表や出先機関としての県まで廃止する必要はないのではないか?

 また都道府県廃止という言い方はある種、道州制に大きなブレーキをかける側面の考慮が不足している。

 なお反対意見もけっこう、市民みんなで議論をという姿勢は非常に評価できる。だがその一方で後10年後には道州制を実施という努力目標と、反対を切り捨てどこかで道州制を実施する方向に動くのかなど、この本の中で記載がないが、HPや今後の著書にそういう部分も示してほしい。

 それと道州制comとしての道州制区割り案らしきものが、2020年の道州制後の日本で示されているが、どうして一致して反対している福井嶺南を新潟と同じ北信越道とし、長野、新潟と同じ州にしているのか?

 川の大きさは道州に適しているとするが、上記の区割り案など天竜川の上流と下流が別の州になるような矛盾が生じるのである。

 このような問題を無視しているのかなど、区割りの根拠や問題点など明示すべきだと思う。

 ただ問題点はあるものの、今後の道州制を考える時、必読の書である。定価1600円プラス消費税である。

 日本道州制研究会4月例会の御案内

 テーマは「統一地方選挙前半戦を終えて」で、上記テーマを元に道州制や地方自治を論じます。4月14日(土)午後1時30~4時。大阪市中央区森ノ宮2-13-33、℡06-6942-2441、会場 大阪府立青少年会館 第二グループ活動室(JR、地下鉄森ノ宮下車西へ400m)。当日参加費千円です。よろしくご参加ください。

 

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