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2007年10月

2007年10月29日 (月)

最近のニュースから 全国一斉学力テストの結果、法人税の配分見直し問題

 小、中校の全国一斉学力テスト結果と地域性

 先頃、文部科学省が行った全国一斉学力テストの結果が明らかになった。福井、石川など日本海側の県の成績が良く、大阪や高知、沖縄の結果が良くなかった。福井、石川の成績を見る限り必ずしも、塾通いや私学受験が好結果を呼ぶのではなく、ある程度地域の活動力が保持されていたり、親が長時間通勤で家庭教育に時間が割けない大都市圏と異なる側面。

 あるいは沖縄、高知も今も全国最高レベルの失業率の高さや、大阪も数年前まで全国第2位の失業率の時代があったり、少年非行の多さがある。またこの結果が良くなかった地域は暑さの影響を受ける府県でもある。

 このようなテストを恒常化させると、学力テストに備え学力の低い子を意図的に欠席させるような行為が生じるので、基本的には行わないようにすべきだが、たとえば抜き取り的にクーラーのある家と、ない家の学力差など、道州制単位で調査するなど、日本全国で均質的ではないが、やや地域を広範囲に見て学力問題を考慮する必要はあるだろう。

 法人二税見直し問題の地域差と対策 道州制に備えて

 今日の朝日新聞に都市部に偏る法人2税の配分見直しについての、47県知事アンケート結果が掲載された。地方の県を中心に見直し賛成が20、大都市を持つ県を中心に反対が10、宮城、三重など中規模県はその他という回答が多かった。

 また地方の県でも鳥取、徳島など地方交付税の増額が筋という意見で、見直し反対のケースもある。東京が人口が多いとはいえ、日本の人口の10分の1。ところが税収はずば抜けている。

 急激な見直しは東京対青森とか地域対立を招くことにもなり、さりとて国が全面的に仕切るのは地方分権の流れに逆行する。これを国税か地方税ではなく、道州制単位でほぼ人口レベルで法人税や消費税、ふるさと納税、森林交付税など複数の税制を組み合わせて、格差の解消を図る一方、企業の移転で都市部に地方から移転する場合は課徴金をかけるが、地方に移転する場合は奨励金をかけるなど、段階的に行い、道州制が全国的に採用されるまでに、これらの税制変更を実施し、地域間の機会の平等を担保し、同レベルのスタートラインにある程度そろえた上で、切磋琢磨して地域の特性を発揮すべきではないだろうか。

2007年10月28日 (日)

日本道州制研究会10月例会の報告 日本地方自治研究学会、全国県境研究会の参加報告を中心として

日本地方自治研究学会、全国県境研究会の参加報告

 道州制を視野に入れて

 先日までこのブログで特集していた、上記の学会、研究会の参加報告を行っていたが、

会のメンバーに報告した点として、地方自治の専門家とされる方の集まりでも、財政論、地域の地理:歴史、政治など、どの切り口から論ずるかで、地方分権を考える上で方法論が異なる上、さらに道州制については、都道府県制度のように既にある制度ではなく、これからその制度を作る以上、道州制とは何かということで、研究者や行政に関わる立場の方でも、相当に認識に差があること。

 また道州制についての市民レベルを含めた最低限の合意が形成されていないことを、述べた上で最近まで活発だった市町村合併の検証が充分ではなく、道州制を引き金にして、新たな市町村合併を進めるかどうかなど、検証結果を待って道州制をすすめるのか、それでは道州制の実施の速度が遅れるので、道州制はそういう各論や検証を簡素化してすすめるのか意見の分かれる点であると報告した。

 これに対して本研究会会員の牛尾重彦氏からは、あまり個々の事情にこだわりすぎると、現状がこうだからというのに踏みとどまり、こうあるべきという道州制の実施に動かないのではないかという提言が出された。たとえば道州制の区割りでこれは困るという側面が出たら、州の中の基礎自治体でそれが解決できないかという意見である。

 だが難しい点として、会員相互の質疑で述べたが、地域格差の問題解消で法人税配分の見直しが提言が増えている一方で、東京都の石原都知事のように財源が減る方からの反対があり、道州制を睨み既存の県、将来の道州制単位で都市圏と地方でどうしても利害が衝突することが予想されるが、さりとて国があまりそれに仲裁に入ると、道州制のあり方が国の介入が過度になる懸念があり、自分の県が困ることと、国の介入を避けるために第三者的に既存の自治体の首長が、別途代案を出すことや、大局的には他の府県と共存できる施策にしたがうべきではないかと感じた。

  道州制について 市民の関心を高める必要性

 日本道州制研究会代表の芝蒸先生からは、小沢 代表になってから民主党が道州制に消極的になっていることについて質問があり、民主党出身の市長や議員で道州制に賛同者が多く「必要ない」というが反対とは表現しないことを含め、テロ法案の対応を含めて、小沢氏の政策で自民党と同じ意見に同調せず、それを政局に活用する側面や、世論調査で道州制への不安が民意に強いことや、参加者から公務員の身分が変わるため、官公労の支持を得るため、道州制を公約として封印している側面など指摘があった。

 また尾道での日本地方自治研究学会で、道州制がテレビ報道で経済部、政治部レベルに流れても、社会部ネタにならないことが市民に道州制が浸透しない要因という意見が出たことに触れた上で、都道府県ランキングや県民性などNHKのみならず、民放でも取り上げられるが、ABCテレビのナイトスクープで「アホバカ分布」調査が、日本の東西文化と関連し、学術的にも高い評価を受けたことを例にして、どこで阪神ファンと中日ファンの比率が変わるかなど調査して、道州制の区割り論と関連させるなど、マスコミでの報道の仕方でいろいろ方法があることを指摘しておいた。

 次回の日本道州制研究会と道州制(関西州)をすすめようセミナー

 次回の日本道州制研究会は11月24日(土)大阪府立青少年会館で、午後1時30分から4時まで、18日の大阪市長選挙結果やその争点を踏まえて、大阪の問題を中心にして道州制や地方自治を参加者同士で討議の予定です。

 さらに今回、ご参加いただいた元大阪府議会議員の坂本充先生主催の道州制(関西州)をすすめるセミナーが11月25日(日)に京都市上京区の平安会館で、同志社大学の新川達郎先生を講師にお迎えして開催されます。

 申し込み、FAXで072-365-4409。また細部は以下でご確認ください。

http://blog.livedoor.jp/blordbrash551/archives/50966995.html

 

 

2007年10月23日 (火)

全国県境研究会の報告2 県境地域の課題と道州制への布石

  パネルデイスカッション「県境地域の対外戦略と交流ネットワーク」

 まず青森県八戸市、岩手県久慈市など旧南部藩の領域での連携について、小原豊明氏から、広域観光連携や、ドクターヘリの活用について話があった。

 元々は南部藩の領域であり、そのエリアでの連携には異論が出ないが、それぞれの県の中央部の反応が今一つ理解が乏しく、他県のためにドクターヘリなどの予算を使うのかという報告があった。

 また足利商工会議所の板橋敏雄氏からは、東武伊勢崎線沿線との連携と北関東自動車道路の整備で、茨城の臨海部との交流が容易になる報告が行われた。

 さらに飛越協議会アドバイザーの山下隆司氏からは、中部縦貫道路や市町村合併で、飛騨と越中の距離感が縮まった一方で、利賀村のような合併前に独自の地域活性化を行っていた自治体の消失など、評価の難しさを述べていた。

 九州中央地域からは、宮崎県延岡市の杉本隆晴氏が、宮崎、大分、熊本の中央部の交通網の不便さの中で、観光連携など進めている事例が報告された。

 

 道州制区割り案で股先になる地域の連携

 上記の地域は飛越地域が道州制で異なる区割りとなり、可能性は薄いが道州制で九州が南北分割にされた場合、大分と宮崎が別の区割りになる可能性があるが、基本的には異なる区割りになる可能性は薄い。

 ところが開催地の敦賀市の河瀬一治市長から、滋賀県北部との連携の歴史的前提と新快速乗り入れのような連携が語られ、東三河地域研究センターの戸田敏行氏からは、三遠南信の今後10年を道州制までの10年として、交流から合意へ向かう段階と向かうことが述べられていた。

 県境地域全体の課題と全国県境研究会への期待

 県境地域も青森、北海道のように青函の観光連携は多少はあるにしろ、約100km離れていれば同じ道州制の区割りという考えにはなりにくい。一方で同じ海峡でも関門海峡のように1km未満なら、道州制で関門特別市のような発想にもなる。

 都道府県については、県の範囲が道州制で福井県のような明らかな矛盾がある県もあれば、愛知県のように旧国名では尾張と三河に分かれても、道州制で別々の区割りに入ることなどあり得ないケースもある。

 さらに県の境界の矛盾も拡大している一方で、廃藩置県から100年以上経過していて、県への愛着の高さと制度としての定着も無視できない。

 道州制に伴い県を完全に解体するか、活用しながら道州制に踏み込むのかなど、今回のパネラー以外の地域の事例の報告や分析も積み重ねて、道州制議論に貴重な参考材料を、この研究会が提供してほしい所である。

 

2007年10月22日 (月)

第4回全国県境研究会の報告1

 

 福井県敦賀市で第4回全国県境研究会 道州制を視野に入れて

 10月20日に福井県敦賀市のきらめきみなと館で、第4回目となる全国県境研究会が開催された。ちょうど敦賀市の商工会議所100周年や、前年の新快速直通1周年と重なり、会場で地域の物産イベントも開催されていたこともあって、盛況に行われた。

  主な内容

 基調講演として、JR東海相談役の須田寛氏から「地域観光の将来像」という講演が行われた。地方振興の切り札として、観光産業の育成が重要視されている一方で、国内旅行の低迷の現象について述べ、従来の団体旅行中心から修学旅行でも少人数のグループ化している現象を紹介。また外国人観光客が旅館で食費と宿泊費がセット料金が基本のため、宿泊料金の高さが敬遠されることを紹介していた。

 しかし日本料理の他品目の性格や、日本人の旅行宿泊は料理の要素を重視しているので、これを両立させることは難しく、これを棲み分けするため、観光地でもビジネスホテルのような宿泊形態を増やすことが、若い人の必ずしも日本料理を好まない客層のためにも得策なのではないかと感じた。

 また大人の社会見学的な旅行形態のニーズが増えているので、それこそ福井嶺南から、三重県の伊賀に向かうような道州制の区割り困難地帯や、木ノ芽峠や鈴鹿峠のような文化や経済の境目を訪ねて、道州制についての困難要因を考える材料とすることなど、おもしろいと思う。

 また東三河地域研究センター常務理事の戸田敏行氏からは、「道州制と全国県境地域の動向」という研究報告が行われた。道州制での地方制度調査会の区割り例を見ると、現在実施されている県境地域での連携を分断してしまうことが非常に多い。そのため三遠南信地区のように三遠南信サミットで、道州制になれば同じ区割りにという決議を行っている。

 だが全国的な県境地域でのアンケートでは、県を分割しての道州制の区割りの賛否については、分離が41%、一体が44%と拮抗した結果になった。また民間団体では分離を可が多く、行政機関では分離に消極的な意見が強かった。

 民間と行政では、後者が双方の県議会の承認や、予算配分の問題があるので当然ではあるが、三遠南信が愛知県と同じ中部、東海州に入るのは当然として、現行の地方制度調査会案なり、県を分割してでもということに必ずしも、全面的な賛同が得られないことを考慮すると、長野県東部地方が北関東に道州制で入ることを熱望すれば、三遠南信は県を分割して、東海に入るか。それとも三遠南信ごとで北関東に入るかなど、難しい選択を迫られかも知れない。

 またこのような問題を解決する策として、現行の道州制案を区割り案を、分割型道州制とすれば、シームレス型道州制を提案して、道州制の区割りの継ぎ目を解消して、道州間の連携を図るとしている。

 三重、福井、長野、静岡など道州制での区割り困難県には妙案ではあるが、これにしても予算調整と、シームレス型でも関東、中部など一定の区割りがある以上、おおまかな区割りなり、調整措置をどうするのか、ある程度の提言が今後は求められる所である。

(続く)

 

2007年10月21日 (日)

第24回日本地方自治研究学会の報告Ⅷ パネルデイスカッション 地方分権と道州制

 

  日本地方自治研究学会の報告 Ⅷ 地方分権と道州制

 9月30日の二日目の最後は「地方分権と道州制」というパネルデイスカッションが行われた。福山大学の片岡俊郎氏は歴史的に、道州制の前提といえる奈良時代の東海道や、明治時代の北海道設置などを見ると、道州制が地方分権に結びつかない危惧を述べられ、地域格差の是正から関東、東海、近畿など比較的経済的に優位でない地域に金が集まるように提言していた。

 関西大学の小西秀樹氏からは、道州制が採用されても都道府県への愛着が捨てられない側面や、片岡氏の主張と共通するが、戦後40年くらいまでの道州制議論が中央の支配を強めるものだったことや、一方で1993年の細川内閣以降の様々な地方分権改革の流れが「次は道州制」という気運を高めていたことを述べた。また道州制での国会議員の役割見直しや、省庁改革の必要性を述べていた。

 尾道市役所の藤井正喜氏は、市町村の役割が道州制で府県が消失すれば、負担が大きくなる一方で、地方交付税が減る現状と、市民が道州制を身近に感じていないことを述べていた。

 さらにNHK前松江放送局長の山形良樹氏は、道州制が放送業界で政治部、経済部レベルでは報道量が増えているが、市民レベルの関心ということになると、社会部の報道が増えないとダメだが、まだそのレベルではないことや、関東での首都圏と北関東での報道の求め方の違いや、中国地方はNHKは広島局が代表局だが、広島カープのニュースが多いと阪神ファンの多い岡山の人から不満が出ることを紹介し、道州制単位の報道の難しさを述べていた。

 また質疑応答では、アメリカの連邦制のように道州制では軍隊を持てるのかという質疑があり、道州制ではそこまでは求めないというのがパネラーの見解であった。私からは道州制が社会部レベルにならなかったり、市民の関心が薄いのは、NHKのBSの「おーい日本今日は新潟県」のような、県を特集する番組はあるが、たとえば西日本と東日本の対比や道州制の区割り困難県での、市民の声を聞く特集などを提言した他、道州制推進連盟のような市民レベルの道州制議論や、地方制度調査会が個々の地方の事情に配慮できていないことを指摘しておいた。

 今回の日本地方自治研究学会全体を振り返って

 今回は「地方分権と道州制」がメインテーマとなったが、地方自治の切り口や政治、財政学、地理などいろんな検討のあり方がある上、道州制を英訳するとぴたりとくる言葉がないように、道州制での最低限の了解事項が学会レベルでも形成されていないことを痛感した。

 昨日参加の全国県境研究会の報告は明日から記事にしますが、日本地方自治研究学会、全国県境研究会を含めて、10月27日に日本道州制研究会で報告予定であり、ふるってのご参加お待ちしています。なお案内は以下の記事をご覧ください

http://yamashika.cocolog-nifty.com/chiki/2007/10/post_c508_1.html

 

2007年10月20日 (土)

第183回日本道州制研究会:地方分権フォーラムのお知らせ 道州制 地方分権事情‐日本地方自治研究学会、全国県境研究会の参加報告を中心として‐の御案内 NHKテレビ日本のこれから農業問題を見て

 10月27日 日本道州制研究会10月例会のお知らせ

 来る10月27日(土)午後1時30分から午後4時。大阪府立青少年会館第2グループ活動室(大阪市中央区森ノ宮2-13-33 ℡ 06-6942-2441、地下鉄、JR森ノ宮駅より西400m)で、「道州制、地方分権事情‐日本地方自治研究学会、全国県境研究会の参加報告を中心として‐」という例題で討議を行います。

 まず私、山中鹿次が報告を行い、参加者で討議を行います。参加費は当日徴収で千円です。ふるってのご参加お待ちします。

 NHKテレビ「日本のこれから 農業問題 私たちの主食」を見て

  

 NHKテレビの日本のこれからを敦賀で開催された全国県境研究会から戻ってみている所である。実りの秋ということか農業問題を課題にしていたが、輸入食糧の安全の不安や、地方と都市の経済格差問題が参議院選挙結果で重視されたせいか、大前研一、財界的な農業保護に反対の意見と保護すべきという意見は、以外と保護重視が多かった。

 おそらく3,4年前のネオリベ賛美の風潮や、食の安全問題がそれほど重視されていない時期だと、こういう結果にはならなかっただろう。

 ただ昨今の国の方針の農業の大規模化については、北海道の農家と本州の山間地の農家と反応が分かれたりした。前者はすすめるべき、後者は反対。私に言わせれば国の方針でどうのではなく、これこそが道州制で北海道の方針として、石狩平野のような平坦地で田が確保できれば、前者の意見は正論であり、中国地方の山間部なら温暖化や洪水対策で、小規模農家を保護することを、道州制で中四国州なり、中国州で重視すればいい。

 東京集中の是正と地産地消費

 地元で取れるもので、消費するサイクルができれば必ずしも大規模農家が有利ではなく、消費者にすみやかに届けられれば有利である。東京とそれ以外の大都市の差は、東京だと多摩地区で駅から離れた場所でないと、ほとんど農地がないのと、大阪でも市内中心部から20kmくらいから相当農地が増え、福岡や名古屋など鉄道の主要駅の近くでなければ中心地から10kmほど行けば、以外と農地がある違いがある。

 米消費が戦後のピーク時のほぼ半分の年一人61kgに落ち込んでいる要因として、米を炊くという行為以外におかずに手間がかかることがあげられていた。地産地消費をすすめる以外に、東京とその近郊のように長時間通勤と長時間労働が恒常化していると、一家の食卓が帰宅時間もまちまち、朝もばらばらでご飯食がむつかしい。

 都市化が進むほど米消費も少ないことを含めて、道州制による国土の均衡ある発展を図ることが農業の大規模政策と、小規模農家保護を矛盾させず実施でき、米消費拡大や食の安全や自給率向上を図りながら、価格も以外と高くない農産物流通も可能になるのではないだろうか。

2007年10月18日 (木)

第24回日本地方自治研究学会の報告Ⅶ 道州制と尾道

 これからの尾道 中四国での道州制での州都問題と関連して

 9月30日の午後には、尾道市の平谷祐宏氏の「これからの尾道‐広域連携の可能性とともに‐」という特別講演が行われた。尾道市は15万都市で市営の大学があり、先進的な教育行政が注目されている地域であるが、周辺の島々の町村との市町村合併や、県外だが隣りの愛媛県今治市との、基幹産業の造船での世界的ブランド力の育成の話。

 あるいは北海道のイカがスルメや松前漬に、今でも尾道で加工される話や、大林監督の映画の舞台になっている街並みなど、北前船経済の流れが今に生き続けていて考え深い話だった。

 また前日に尾道大学の州浜源一教授から「道州制と尾道」という、大学HPのコラムをご紹介いただいた。http://www.onomichi-u.ac.jp/about/colum3.html

中四国ということになると、瀬戸内の十字路の位置にある尾道が州都に相応しい意見だが、経済都市広島に対して、行政や文化拠点としての尾道の意義を述べたものだが、市長の意見もほぼ同様の意見であった。

 前から私は道州制での中四国の十字路であることや、中国地方での岡山と広島の対立を考えると、福山州都論を日本道州制研究会で述べている。新幹線での利便性は福山。港と道路は尾道に利がある。

 福山市の公明党市議団が福山州都誘致を働きかけたり、岡山の笠岡も岡山と広島の対立から、州都論と関連して、地域活性化を図るべきだという意見があり、至近距離でもあり、たとえば会議場は尾道、省庁の出先機関は福山市のように役割を分散させ、福山と尾道の市名を変えたり、合併まではしないが、州都のある地域ということで、(備後特別市)のような表記を併用して、中四国の要の州都を目指してはと考える。

 しかし平谷市長の尾道大学の紹介で、美術学部の学生に市営バスのデザインを担当してもらったりしていることなど、経営の苦しい地方の大学が社会的に認知され、経営的にも健全に維持されるためにも、実際に行政の末端に参画できることは、非常に意義深いことだと痛感させられた。

 また一方で本四架橋の三本目の尾道今治ルート建設には批判論も多いが、出雲市からの中国地方を南北に貫く高速道路と併せ、山陽道を含めて十字路の立地のため、流通工業団地はほぼ完売だそうである。

 地方と東京の格差問題で、有効求人倍率の低い青森、高知への企業進出がはかばかしくないが、その原因に道路事情の悪さも指摘されている。道州制の施行を含めて、道路や新幹線建設は片側4車線とか明らかなムダは避けるとして、建設自体は罪悪視するべきではないことが、尾道の例からもよく理解できた。

 

2007年10月14日 (日)

日本地方自治研究学会の報告Ⅵ

 第24回日本地方自治研究学会の報告Ⅵ 道州制と地方自治のあり方

 9月30日の研究部会報告では、尾道大学の川田一義氏から、上記の報告が行われた。道州制は古くから構想があるが、第28次地方制度調査会の報告や、自民党道州制調査会の中間報告があるが、参議院選挙で自民党のマニュフェストに入ったが、全国的にほとんど争点にならなかったことが述べられた。

 道州制の賛否については、土地柄、中国、四国の意見を中心に報告が行われた。岡山の中四国案に対して、広島の藤田知事の、2004年の台風災害を例にして、橋や船が遮断された時、意思決定が遅れるという反対論。

 さらに地元財界でも、岡山はやはり中四国案。四国の多くは四国単独案だが、愛媛大学の藤田節夫氏のように四国州で出発し、中四国に拡大するのも一つの考えであることが紹介された。

 また道州制の導入については、単なる都道府県の合併とか、国から都道府県への権限の移譲といった次元に止まらない「地方自治の本旨」に基づくべきことを主張した。

 この日の他の部会報告

 この他には広島経済大学の吉田義宏氏の、森林課税の課題。福井県立大学の桑原美香氏の、指定管理者制度が引き起こす格差。大阪成蹊大学の吉田幸雄氏の我が国における電子投票に関する一考察という報告が行われた。

 森林課税は民有林の比重が高くなく、税収としては不充分だが環境対策と地方交付税の不足を補うためには有効だと感じた。

 また指定管理者制度は、現状では美術館や博物館の学芸員に経営能力が不足しているが、文化は経済効率になじまない部分があり、そのバランスや人材育成について、考えされられる部分が多かった。さらに電子投票が試験導入されるが普及しない点が報告されたが、昨今は開票時間の大幅な短縮に成功している自治体も多く、自書することの重みと、気軽に投票できる側面の両面もあり、記号記入読みとりによる両方の方式の合わさった方式が提案されていた。

2007年10月 8日 (月)

日本地方自治研究学会の報告Ⅴ

 日本地方自治研究学会の報告Ⅴ 

  財政再建と地方自治 ‐広域行政の方向を展望して‐

 岡山大学名誉教授の坂本忠次氏からは上記の基調講演が行われた。財政再建と広域行政として、平成の大合併、次いで道州制という動きが出ていることを述べた。

 ただ市町村合併は合併のメリット、デメリットの検証がまだまだ不充分な段階であり、第27次地方制度調査会の中心メンバーであった西尾勝氏のように、1万未満の市町村の合併には積極的な施策を提案した一方で、西尾氏が道州制推進連盟や道州制ビジョン懇談会の座長の江口克彦氏のような、300自治体案に猛反対していることを紹介していた。

 市町村合併については、これは地域のための手段であり目的ではない。地域の事情も配慮せず、300という数を先に設定する意見には常々不満を抱いていたので、聞き応えのある話であった。

 ただ道州制については現在の府県の扱いや、税財源の制度調整が不充分であること。道州制と市町村の役割をどう述べるかを述べた上で、関西広域機構など、府県間の広域連携の段階的取り組みの導入が重要であることを指摘されていた。

 現在でも近畿、中国というような単位で知事会議が開催されているが、この頻度を高めたり、具体的な政策実施を行うことが道州制導入の前提になるのではと痛感させられた。

 なお坂本氏は道州制の区割りの中で、東京の扱いが最大の難問だと述べていた。10月4日の朝日新聞の私の視点で、前兵庫県知事の貝原俊民氏が道州制導入にあたっても、東京都心3区を国直轄にと述べていた。

 そこに住む住民は千代田区民でいいとしても、その法人税は地方交付税として配分することが、格差対策のために不可欠であろう。

 また市町村の財政危機については、充分な情報公開の必要性の一方で、小泉内閣での三位一体改革での地方交付税削減の問題点を指摘していた。そして夕張ショックで言えばリゾート政策の投資ミスはあるが、産炭地振興としての国策など、構造的な起死回生策の失敗と考え、夕張の非を責める前に、構造的に斜陽化する地域をどうするのか、これこそが道州制レベルでの検討が必要だと考えさせられた。

2007年10月 5日 (金)

第24回日本地方自治研究学会の報告Ⅳ「日本のあるべき姿としての道州制」

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 第24回日本地方自治研究学会報告Ⅳ

 日本のあるべき姿としての「道州制論」の問題点と提言

 東海大学の牧田義輝氏からは上記の表題による提言が行われた。道州制は一般的には広域性に該当すると思われるが、状況により集権にも分権にも使われることがまず述べられ、道州制を英訳するとぴたりと来る言葉がないことが語られた。また配布資料では以下の以下の10の問題、視角があることがあげられ、それに対して解説が加えられた。

 1 経済効率性を求めての道州制。

 2 道州制は手段か目的か

 3 道州制によって「小さな政府」を実現できるか

 4 道州制によって自主財源で自立することができるか

 5 道州制によって地域間格差を是正できるか

 6 市民道州制「大前研一等『道州制で日はまた昇るか』は考えられるか

 7 道州制は少子高齢化問題、環境問題、福祉問題等の政策課題にプラスに機能するか

 8 道州制の文化的効用

 9 活性の持続可能性を持つ道州制

 10 国家としての統合

 基本的に道州制も広域連合の一環であるが、海外の連邦制は常々、それが独立の方向に動いたり、アメリカのように州ごとに死刑制度の有無があるようにかなり柔軟な方向である。そういう意味で道州制での法の運用などは連邦制ほど独自性はない。

 しかし道州制では現行での異なる県の協力行政よりは強力である。どうも人々により道州制のイメージは牧田氏の指摘や、様々な道州制議論を概観して、最低限の合意事項がまだ形成されていないといえるのではないか。

 また質疑応答で道州制が格差拡大になる危険性と、市民道州制が可能かについて、私の方から一般市民の道州制の関心が低調である一方で、市民道州制を述べる道州制comや、やはり大前研一氏の影響を受けた道州制推進連盟の主張が、財政再建や道州制単位での自立に目的が偏り、格差拡大をより招く危惧と、先の参議院選挙に見られた民意に反する危険性を指摘した。

 これに対して、牧田氏からは先鋭化した市民と関心の低い市民という構図を考えると、ある意味住民、市民とは無関係に間接民主的にすすめるべきかというコメントをいただいたが、これはそうすべきだというより、それがいいかも知れないというニュアンスであり、道州制が先例のない制度でもあり、最善の選択は何か考えさせられた。(続く)

2007年10月 3日 (水)

第24回日本地方自治研究学会の報告Ⅲ、分権型道州制を考えるシンポジュームIN関西のお知らせ

 第24回日本地方自治研究学会の報告Ⅲ 

 英国、スコットランドにおける分権改革の再検討という報告が、国士舘大学の石見豊氏により行われた。イギリスはかっては世界に植民地を持つ強国である一方、国内はイングランド、ウエールズ、スコットランド、北アイルランドの4地域で構成されている。

 時々、スコットランドが分離独立の動きをみせたり、首相が変わるとイングランドなどと、英国政府の関係が変化をみせることなど、道州制で国の出先機能と地方自治体と、どちらにウエイトを置くかなどやや変化が出るべき側面かと考えさえられた。

 また国の出先機関の役人を地方公務員とした場合、英国などの分権改革でも見られないことで、日本の道州制実施には未知数、もしくはそれが困難要因になるのではと考えさせられた。(続く)

 分権型道州制を考えるシンポジュームIN関西の案内

 日時は2007年11月14日(水) 大阪市北区中之島5-3-68 リーガロイヤルホテル2F「山楽の間」で13時15分から16時。会場へはJR大阪駅からシャトルバス10分。または阪神、JR福島駅から徒歩南へ10分。地下鉄肥後橋駅から西へ徒歩10分。

 プログラムは増田寛也道州制担当大臣の特別講演。堺屋太一氏の基調講演。さらに道州制ビジョン懇談会の江口克彦氏、道州制否定論者とされる井戸敏三兵庫県知事らによるパネルデイスカッション。

 申し込みは530-0005大阪市北区中之島5-3-51 大阪府立国際会議場11F 関西広域機構 道州制シンポジュム 係へ メール、ハガキ、FAXで。FAX番号は06-4803-5574。メールは sympo@kansai.gr.jp

問い合わせは企画部 分権改革グループ 06-4803-5573 藤井、土井まで。

入場無料 定員400名 11月5日(月)必着です。

2007年10月 2日 (火)

第24回日本地方自治研究学会の報告Ⅱ

 日本地方自治研究学会の一般研究  私の報告「道州制区割り案の問題点‐北陸州構想を中心として‐」

 このブログでも何度も報告している内容が多いが(配布資料は後日、こちらに掲載します)、要点を報告する。第28次地方制度調査会の北陸州構想では、福井、石川、富山、新潟で道州制の区割りを形成する。

 だがこの区割りでは北陸新幹線が東京方面から福井に向けて建設され、大阪方面への建設が未定の状況では関東、東京圏の肥大化に拍車がかかり、福井嶺南のように明らかな西日本。新潟のように明らかな東日本を分割すること。

 あるいは九州、北海道のように太平洋側、日本海側に面する区割りが形成されないこと。さらに新潟と福井の交通の悪さや、福井敦賀が昨年新快速が乗り入れるなど、関西との交流をより、密接にしている現状から、道州制での北陸州を批判した。

 さらに道州制推進連盟(http://www.dohshusei.org/)

の北信越構想も、天竜川を例にして上流と下流が別々の州になり、河川管理が困難になることを報告した。質疑応答でも、私への区割り案全体で、新潟や、中国、四国の対応など道州制全体で意見が分かれる点への質疑も出て、その後もいろいろ意見交換ができ、道州制への関心の高さや、むつかしさを再確認できたのは収穫であった。

 行政とコミュニテイのあり方

 また大分市役所の若杉英治氏からは「コミュニテイ政策を実施する行政組織のあり方~日本、中国、アメリカの行政組織の比較から~」という研究発表も行われた。地方自治には行政の他に、住民自治がある。大分市での市役所の部局の下の住民自治の具体例。

 さらに横浜市や中国、米国のコミュニテイと行政の関わりを紹介していたが、おおよそ中国は部局と縦割りでコミュニテイが形成され、米国は広範な行政とコミュニテイ形成。日本は広範なコミュニテイに対して、縦割り部局が結びつくようである。

 今日、市町村合併が盛んだがそれが距離の遠さで、コミュニテイ活動の低調さになる側面も危惧される。道州制や基礎自治体を支えるコミュニテイ活動について、より研究が進むことを、若杉氏以外にも期待したい。

 なお明日以降も参加報告が続く予定である。

2007年10月 1日 (月)

「道州制と地方分権」第24回日本地方自治研究学会の報告Ⅰ

時事通信「401k-Web」

 第24回 日本地方自治研究学会の報告 Ⅰ

 9月29、30日の両日、尾道市で開催の日本地方自治研究学会に参加してきた。今回の大会メインテーマが「地方分権と道州制」。私自身も研究発表をしたし、何回かに分けてこれを報告することにする。

  一般研究発表から

 3つの分科会に分かれていたので、すべての研究発表に参加していないが、主な内容を報告する。宮崎公立大学の有馬晋作氏は「宮崎県政におけるマニュフェスト選挙・行政の展開‐東国原県政の実態‐」という報告を行った。

 地元だけに選挙結果の精密な分析と、他の候補者と対比したマニュフェスト分析。また人気の高さや、大きな対立軸が県政にないなど、いくつかの幸運な条件をわかりやすく提示された。

 私なりに思う所を述べると、政治学科を出るなど昨今の二世候補より知識に長けていることや、田中康夫長野県前知事と異なり腰の低さが目立つ。またマラソンが盛んな県だけに知事が走っているのは印象が良くなる。さらに観光客の増加が目に見えていることは見逃せないと思う。

 

 三菱UFJリサーチ&コンサルテイングの野田遊氏は、「平成の大合併に伴う地方政府体系の変容と府県」という研究発表を行った。昨年あたりまで活発であった平成の大合併の検証である。

 合併のスケールメリットはあるが、合併により平成以前の合併でも府県の役割は縮小しなかったし、平成の大合併でもやはり同じ結果となった。またちょうど今問題視されている格差問題を大きくした時期に符合するせいか、市町村合併は格差是正には役立たず、むしろジニ係数など拡げている。

 また知事の裁量でも結果は大きく異なることなど踏まえ、道州制議論では国からの権限移譲による分権の受け皿論議としてより、むしろ基礎自治体と国の間で多元的に裁量行動を取る府県を一元化することの効率性に目を向けることを指摘している。

 懇親会で少しお話を聞いたが、市町村合併の効率性は認めつつ、300自治体などそれを努力目標にすることの危惧や、議員定数以外の削減などあまり伴わない、今の市町村合併は、あまり効果が薄いことを指摘された。

 報告者の著書に晃洋書房『都道府県改革論‐政府規模の実証研究‐』がある。道州制と現行の都道府県と、市町村の関係を分析、検討するのに、優れた著作であり、一読をおすすめしたい。明日以降、私の研究発表などの報告です。

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