雑誌信濃に道州制関連論文掲載されました。道州制、地方分権(地域主権)を巡るこの1年
信濃史学会発行の信濃60-11号に「長野県の地方区域分類の現状と課題‐道州制施行問題と関連して‐」掲載
雑誌信濃の11月号に上記論文が掲載されました。おおよそ以下の構成、内容です。
はじめに
長野県が道州制施行の際の区割り困難県に分類されていることを踏まえ、現行の行政機関などの地方区域分類を概観し、今後の道州制論議に一石を投ずることを述べた。
一 道州制試案で多様な地方区域に分類される長野県
第28次地方制度調査会では長野県が北関東に分類されるものの、中部や北信越に分類される案があることに触れた。
二 国の出先機関、主要公共機関での長野県の分類の多様性とその事例
‐日本列島の東西区分と関連して‐
JRの中央本線が塩尻で東海と東日本が分かれるように、同じ県で同じ会社ではなく、日本列島の東西区分で判断が分かれることを述べた。
三 長野県の分割志向と一体志向 ‐道州制施行での困難要因‐
三遠南信地域の道州制での東海地方編入希望の一方で、県歌「信濃の国」への愛着など、長野県への愛着は道州制への困難要因になることが考慮できることを述べた。
四 道州制での長野県区割り分割と長野県の一体性の両立の方策の提言
長野県を中部州として同じ区割りにしながら、東西や河川流域で管区を分けたり、今の県を単独州とする見解。あるいは関門特別市のような特例措置。住民票の記載や高校野球の予選など長野県のままとする方策を提言した。
結び
長野県に見られる道州制の困難要因は区割り困難県に共通する。長野県から道州制や広域地方行政に関するイベントや特別展開催を提案した。
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道州制、地方分権この1年
3月に道州制ビジョン懇談会の区割り案以外の概要答申や、自民党の道州制案の区割り案を含めた提言が7月に出たり、プレ道州制というべき関西広域機構も動き出した。
一方で福井県の西川知事の「道州制の幻想」という論文が出たり、全国町村会が道州制に反対の態度を表明した。
道州制については中央官僚の抵抗は論外としても、西川知事や町村会の道州制反対の態度はある程度、配慮が必要だろう。それは財界が積極的に道州制を支持し、大阪府の橋下徹知事が道州制=関西州実現に動いているが、東京集中の是正には同意できても、人員削減ありきのネオリベ路線で、過疎地や社会的弱者への配慮があまりにも欠けるため、過疎地を多く抱え州都とは成り得ない福井県の西川知事や、市町村合併はしたが、交付税削減などで苦しむ町村が同意できないのは当然である。
道州制支持論者はあまりにも、地方からの反対論者の配慮が欠けている。財界にしても13兆円近い内部留保を持つトヨタが、問題になっている派遣社員を首切りを止めても1年で90億円にしかならない。だが切られた方の生活なり、地元経済、企業自身の評判の悪化を考えると、これは何のプラスにもならない。
財界は道州制を叫ぶなら、安易なリストラを止めないと道州制への反発を強くするだけだし、橋下徹府知事も博物館の廃止など関西文化の衰退につながる動きを止めないと、関西州実現どころか東京集中をむしろ助長すると認識すべきだろう。
来年もよろしく
来年も道州制や地域社会、地方分権をウオッチ、提言していくのでよろしくお願いいたします
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